大学がeスポーツを導入する理由

eスポーツが肘突きまたはボタン連打で大学の人気スポーツの仲間入りをしつつあるとしても驚くには当たりません。

大学スポーツのファンが同点の3点シュートを決めた選手や見事なタッチダウンランに声援を送るのと同様に、オーバーウォッチの完璧なダイブに熱狂する時代がすぐそこに来ています。

National Association of Collegiate Esportsによると、プロeスポーツへの注目度が高まる中、米国の60の大学がeスポーツ選手権チームを既に創設し、Overwatch、League of Legends、Dota 2などのゲームでファンを楽しませています。eスポーツの機会がある競合大学に学生を奪われると気付いた大学が競争に負けまいと先を争っているため、その数は飛躍的に増えると予想されます。

高等教育機関がeスポーツを導入するのには学生募集とブランディング上のさまざまな理由がありますが。古来の理由、人は何かにつけ競争するという点も軽視できません。競争がある以上、学校は勝ちたがるということです。

「大学eスポーツは新しい波です。」 ボイシ州立大学のeスポーツチームのコーチ、Chris Haskell氏はこう語っています。「誰かがeスポーツ界のアラバマ大学フットボールチームの座に就くことになるでしょう。すばやい行動あるのみです。その座は現在空いています。すばやい行動あるのみです。」

ボイシ州立大学提供のビデオ

大学eスポーツの発展により、志あるアスリートにとってのゲーム競技への道が広がると指摘するPatrick Soulliereは、Ballistixグローバルeスポーツゲーミングマーケティングマネージャーに就任する前は、優秀なeスポーツアスリートを指導していました。スクールカラーを身に着けたアスリートには、バスケットボールのマーチマッドネスやアメリカンフットボールのボウルチャンピオンシップシリーズに匹敵する熱狂を生み出すチャンスがあります。

「大学スポーツはアメリカ人にとって魅力的な娯楽であり、全米中が明日のアスリートの成長を見守ります。」とSoulliereは指摘します。「これからはゲーマーも大学スポーツの仲間入りをします。」

アクロン大学はeスポーツ選手権プログラムを開設し、来秋にはLeague of Legends、Overwatch、Counterstrike: Global Offensive、Hearthstone、Rocket Leagueの試合にチームが出場します。アクロンチームのMichael Fayコーチは、アクロン大学がeスポーツ選手権プログラムを発足した理由として次の3つを挙げています。

  1. 同じ興味を共有していながら、寮の部屋でオンラインでプレイしているうちは会う機会がないゲーマーたちのコミュニティをキャンパスに設ける。
  2. アスリートにとっての競技スポーツと同様に、リーダーシップ、コミュニケーション能力、精神力、鍛錬などの他分野にも応用できるスキルを競技ゲームでゲーマーが獲得できるキャンパスの習熟文化に寄与する。
  3. eスポーツ業界を中心にして放送、事業開発、コンピューター工学、ゲームデザインなどのさまざまな分野で学生に体験学習の機会を提供する。

Fay氏は、このプログラムは学生をアクロンに惹きつけ、教室での授業を補完するものになるだろうと語っています。

「最終的には、このプログラムは学生予備軍を惹きつけ、建設的にゲームを行う機会を提供するようになるでしょう。」 Fay氏はさらにこう言います。「彼らはeスポーツへの習熟を目指して身につけたツールを学業や仕事上のその他の目的に応用することができます。」

アクロン大学提供のビデオ

大学の学費は安くないということも、学生にとって大学eスポーツをさらに魅力的にする要因だとSoulliereは指摘します。従来の大学スポーツは規制が多く、各校が利用できる奨学金の数やアスリートが受けることができる社会保障上、経済上、その他のメリットも限られています。eスポーツには規制がないため(欄内参照)、大学eスポーツのアスリートはeスポーツ選手としての収入を含め、金銭的利益を得る機会がはるかに大きくなります。

ボイシ州立大学の夢は大きく広がります。初年度に、同大学のeスポーツ選手権プログラムはインカレ試合で100勝以上を収め、3試合でプレイオフ出場資格を獲得しました。そのうち、Hearthstoneチームは全米チャンピオンシップトーナメントへの出場資格を得ました。5チーム、47人の学生アスリートが競技に出場する以外に、約250人の学生が何らかの形で参加しました。彼らの一部からカンパを得た放送チームは、同プログラムのYouTubeチャンネルで競技の模様を放映し、素晴らしいハイライトパッケージを編集しました。

実際のeスポーツアスリートを支援するこれらの学生の存在は、BSUがeスポーツ選手権プログラムを設けた大きな理由だったとHaskell氏は言います。彼らの専攻はさまざまで、学部のカリキュラムを実地体験によって強化していることがキャリアにつながる可能性があります。テクノロジーの進歩によって産業や仕事が急速に変化する中、このプログラムはすべて学生の将来への備えを強化するためのボイシ州立大学の推進活動の一環です。

「日頃、学生には、あなたに最適な仕事はまだ誕生していないと言い聞かせています。」とHaskell氏は言います。「とにかくやってみることです。そうして好きなことを情熱的に追い求めることによって自分の適所が見つかり、それを実現する機会を探そうとするのです。」

2年目は、同大学では最新鋭の「Esports Battleground」を建設中です。Broncosの本拠地となるこの競技場は、Ballistix Tactical DDR4メモリを搭載したゲーム用PCを備えています。観客席も設けられたこの新しい会場は一般の人にも開放され、1時間3ドルでゲームをプレイすることができます。さらに、Haskell氏は、奨学金を用意し、学生募集活動を強化することも期待しています。

「バーシティ」とはいったい何を意味するのでしょうか。

こんにち、米国内の300を超える大学がeスポーツのプログラムやゲーミングクラブを持っていますが、正式なバーシティプログラムを設立しているのは60校に過ぎません。ではその違いは何でしょうか。

その区別は学校によって違いますが、一般的にバーシティスポーツは、NCAAまたはNAIAのいずれかの団体によって運営されています。これらのスポーツは大学の体育局の配下にあり、財源はスポーツ関連の寄付、大学の資金、ライセンス、チケットを組み合わせてまかなっています。バーシティプログラムは、通常、NCAAのルールに準拠して運営されるように法令遵守調査局の監督下にあります。

他方クラブスポーツは、学費、学生の参加費、募金運動、チケットの販売を財源としています。クラブスポーツはNCAAやNAIAの監督下にはありません。クラブスポーツは時として既存の大学公認スポーツと重なることがあり、多くはサッカーやバスケットボールなどのゲームで起こります。一方、クラブスポーツはハリー・ポッターの本で普及しつつあるクイディッチなどのように、トラディショナルなゲームに比べて知名度が高くありません。

しかしながら、eスポーツに関してはバーシティスポーツとクラブスポーツの区分はより不明瞭になります。NCAAとNAIAのいずれもeスポーツに関する規制をしていないので、大学はeスポーツのバーシティプログラムを作成し自分たちでルールを確定しようとします。このため、eスポーツのバーシティプログラムは、奨学金の授与や資金の調達先の探しなどにおいて、厳しいガイドラインの下で運営されているトラディショナルなスポーツよりもずっと遅れをとっています。

BSUのeスポーツチームがようやく大学の出資によるPCを受け取ったのは、2017年12月になってからのことでした。YouTubeとTwitchチャンネルを含む同プログラムの視聴者数は、初年度の段階で既に同大学のスポーツ選手権の多くの観客数を超えました(ただし、フットボールやバスケットボールなどの人気スポーツにははるかに及びません)。

Haskell氏は、BSUおよび大学eスポーツ界全体のeスポーツ視聴者層は激増すると予想しています。また、熟慮が必要になるとしても、この競技に参入する大学は増えるとも予想しています。

「最初はコンピューターすらありませんでした。」とHaskell氏は言います。「部室もありませんでした。ただ、私たちは選手権プログラムを実現するんだという 思いを語るだけでした。そこから始まりました。」

Soulliereは、世界中でeスポーツの視聴者層が増えている中、後に続く学校が今後はるかに増えると予想しています。

「素晴らしいことが始まります。5年後、10年後の大学eスポーツの姿を見るのが待ち遠しい気持ちです。」

Patrick Soulliere
Ballistixグローバルeスポーツ・ゲーミング・マーケティングマネージャー

「大学の学費がいかに高いかは周知のことです。」Soulliereはこう言います。「ゲーマーがゲームのスポンサーシップから学費の一部または全部をまかなうことができると考えてみてください。これにより、そうでなければ経済的に苦境に陥ってしまう学生を引き留め、大学生活を送るための苦労やストレスの軽減に役立つことが私の願いです。」


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